岡山から再び世界へ。伝説のピアニスト、ルース・スレンチェンスカさんを偲んで
- 7 日前
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先月(2026年4月)、
ひとりの偉大なピアニストが101歳でこの世を去りました。
アメリカの伝説的ピアニスト、
ルース・スレンチェンスカさん(Ruth Slenczynska, 1925-2026)です。
「モーツァルト以来、最も輝かしい神童」と称えられ、
ラフマニノフの存命する最後の弟子としても知られた彼女。
一時は演奏活動を退いていましたが、
2003年、78歳の時に岡山で行われたコンサートを機に、
劇的なカムバックを果たしました。

実は私、この伝説的な岡山・劉生容記念館でのコンサートを
聴きに行っていたんです!
床に座布団を敷いて、ピアニストがすぐそこにいる、
とてもあたたかくアットホームな演奏会でした。
この極めて親密な空間での演奏が、いつしか日本のみならず、
世界的な再評価という大きなうねりへと繋がっていくとは
当時は想像もしていませんでした!
手元には当時のプログラムと
当日のライブ録音CD。
今、故人を偲びながら、
ゆっくりとあの日の音を聴き返しています。

4歳で初リサイタルを開催し、93歳でサントリーホール公演。
そして、97歳でデッカより新譜をリリース。
まさにピアノにすべてを捧げた生涯です。
彼女が歩んだその道のりには、
シュナーベル、コルトー、ラフマニノフ、
デ・ラローチャ、ホロヴィッツ、そして小澤征爾……といった、
20世紀の音楽史に名を刻んだ大音楽家たちが次々と登場します。
平凡社から出版された書籍
『のこす言葉 ルース・スレンチェンスカ 94歳のピアニスト 一音で語りかける』では、
これらビッグネームとの興味深い交流の数々が、
彼女自身の言葉で鮮やかに語られています。
スレンチェンスカさんのひたむきな歩みを知るとともに、
当時の音楽界の息遣いが感じられる、極めて貴重な記録を収めた一冊です。
2003年のコンサート以降、
久々に開いたプログラム、久々に聴いたライブCD。
101歳まで現役を貫いたその気高い人生には、
ただただ圧倒され、
深い尊敬の念を抱かずにはいられません。


